「きっと、うまくいく」の監督&主演、インド映画好きの友人大絶賛、ということで期待していましたが、娯楽というより、思い切り国家間、民族間の根幹となる課題をど真ん中に据えた問題作でした。ギャグでくるんでるとはいえ、この映画が大ヒットするインドという国は、日本なんかよりずっと”民度が高い(なんかイヤな言葉だけど)”と思います。・・・いや、「聖おにいさん」がそこそこ売れてる日本も大したものなのか。まあ、そこはいいとして。
インドで一番多くの人が信仰している宗教はヒンズー教。しかしタジ・マハールなど名高い観光名所の多くはイスラム教など他の宗教の施設だったりします。ブッダが生まれたブッダガヤでは、聖地を訪れるインド人はほとんどいないとのこと(インド行った時に、ブッダガヤ出身のガイドさんに聞いた話)。ものすごくざっくりと言うと、仏教徒はスリランカに、イスラム教徒はパキスタンへ行った、そう言うパキスタン人と敬虔なヒンズー教徒の娘が恋をしたということは、一大事なわけです。これだけ世界中に宗教に基づくテロリズムが広がってきているこの時代に、これほどど真ん中に宗教問題を取り上げた映画を作るなんて、すごい勇気。「きっと、うまくいく」もギャグをまとった社会派映画だったと思うけど、さらに一歩を踏み込んだな。
宗教vs別の宗教という問題もだけど、ひとつの宗教の中でも、お金儲けに走っている人気宗教家がいるという問題もじゅうぶん大きい。具体的なモデルが誰かいるのかな〜。
インドに旅行したときに見たある遺跡では、王様の三人の妻が仏教徒とヒンズー教徒とイスラム教徒で、それぞれの宗教でお祈りできるようにした素敵な3部屋が残されてました。インドの人たちには本来、そういう懐の広さがあるのかもなぁ。
ジャグーとパキスタンの彼のくだりは、ちょっと泣けたよ。
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