映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

マーティン・スコセッシ監督「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」1575本目

2008年作品。
自分を取り戻すために見る。歴史を思い出すために。

このドキュメンタリー映画が公開された2008年当時、私は三鷹に住んでいて京王線沿線の会社に通いながら都心のビジネススクールに通ってた。年下の男性と別れて大人の男性に恋をして、絶望していて、ストーンズの初来日で盛り上がったのなんて大昔になりつつありました。
20代の頃に何度か行った下北のブルースバーが今年の5月で閉店したらしい。
別れた昔の彼がやっている店は、それなりに今も繁盛しているらしい。
年だけとって私は何者にもなれなかったなぁ、いつまでたっても言いたいことも言えずにメソメソしていていいこと何もないや、でもまあいっか。とストーンズを見てると思える、だから見るんだな。東京にいてもどこかの地方都市にいても、余裕があっても貧乏でも、打ちひしがれていても退屈していても、ロックってそんなものです。

キース・リチャーズの腕は痩せぎすで血管だらけだ。
「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」を歌うミック・ジャガーの声はまるで50年前みたいに張りがあって、マリアンヌ・フェイスフルの地獄のダミ声がばかみたいだ。

何も思い出も残さないで、ただ痛めつけただけで行ってしまった人もいたけど、この曲を聴きながら私のことを思い出す人もいるのかな。その人が生きてる限り私もこの世界のどこかにポチッと存在していられるのかもしれません。

全然感想でもなんでもなくてすみません。