1956年の作品。
うーん。なかなか緊迫感のある大人の映画でした。
ヒッチコックみたいな展開だけど、キューブリックの登場人物のほうが落ち着いている。パニックになってヘマをしでかして、ドツボにはまったりしない。
人物の描き方の他に、「事件」の計画を事前に明かさず、リアルタイムで見せるあたりがキューブリックの個性なのかもしれません。
(以下ネタバレ)
原題が「The Killing」なので、警官が「Killing(ケンカ)よ!おまわりさん!」と呼ばれても無視して現場へ急いだのが最後にアダとなって真相が暴かれる・・・という成り行きを期待してたんだけど、何もありませんでしたね。そこではなく、漁夫の利を狙う優男たちに犯人グループがやられ、悪妻も本人も倒れるという大量殺人が引き起こされてしまったからKillingなのかな。最後の最後に、トランクから札束が紙吹雪みたいに散るのはいい絵だけど、二人はKillingに巻き込まれず、なんとなく盛り上がらない終わり方だった気がします。
初期の作品の中では、やっぱり、「恐怖と欲望」「突撃」が好きかも。
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