映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

トム・シャドヤック 監督「パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー」1625本目

1998年の作品。
ロビン・ウィリアムズこのとき47歳。
パッチ・アダムスが当初、精神科に入院した患者の方だったとは知らなかった。
患者の想いは想像したのではなく、知った上で医師を目指したのか。
彼と寮で同室なのがフィリップ・シーモア・ホフマンってのも、切ないなぁ。

カッコーの巣の上で」の原作が書かれたのが1960年代。
この映画のモデルになったパッチ・アダムス氏が医科大学を卒業して無料のクリニックを始めたのが1971年。
アメリカの医療では、患者の心情を思いやることは少なくて、精神状態によって病気が快方に向かうということもまだ言われてなかった時代なんでしょうね。
映画の中で、いかにもな感じの意地悪や嫌がらせが色々と起こるんだけど、実際こういうありきたりなイジメは今も昔も横行しているんじゃないかと思うので、この描き方でよかったんだと思います。