映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

デイヴィッド・リンチ監督「ロスト・ハイウェイ」1640本目

1996年の作品。
もう見なくてもいいんだけど、デイヴィッド・リンチのメジャーな作品を全部見てしまおうと思いついてしまったので、また頭おかしくなりそうでやだなぁ、と思いながらもレンタル。
実際、何かの精神の病をシミュレートしているかのようなこの気持ち。

いきなり夜のハイウェイを相当のスピードで飛ばしている(左右に揺れながら)映像に、デイヴィッド・ボウイの曲が被さる。時代としてはインランドエンパイアやマルホランドドライブ、ストレイトストーリーより前で、デューン、エレファントマン、ツインピークスより後。

「6歳のボク」のパトリシア・アークエット、お母さんじゃない姿はなかなか妖艶です。
この映画での”キラー・ボブ”、ミステリーマンを演じたロバート・ブレークはその後、実生活で実妻を殺害したとして訴追されたとか。悪い魂ってのが演じた人に乗り移ったりするのかしら、なんて考えるのは縁起が悪いですね・・・

この映画も、男の浮気心と殺意と心の中のやましさが、幻覚やら現実やらになって彼をさいなみ続けるという辛いお話だったのではないかと思いますが、今回は特にボウイやらルー・リードの音楽、マリリン・マンソンやヘンリー・ロリンズの出演などもあって、とってもロックで比較的お茶の間的な作品となっています。(ほんとか)

はー、やっとこれでリンチ卒業だ。と言ってる間にツイン・ピークスの新シリーズのDVDやVODが始まってしまう・・・。