映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ヴィム・ヴェンダース 監督「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」1667本目

胸の奥にしみる。中南米的なやわらかい情緒が。
初めてこの映画を見たのは多分2000年代だろうな。バブルの時期にサンバ・カーニバルだのカリビアン・カーニバルだのといったイベントを野音とかでばんばんやってた頃にこの地域の音楽に出会って、なんでこう琴線に直接くるのかと驚いたのが最初。その流れできっと見たんだと思う。その時も、ボーカルの可愛いおっちゃんが憂歌団木村充揮によく似てるなぁと思った。

なんというか、圧倒される。切なさがほとばしって俯いてしまう。言葉で感想を書くことの意味がよくわからなくなる。50年ぶりに集まったミュージシャンの50年の長さが切ないけど、今この映画を見ると、もうこの世に姿がない人が多い。良いもの、素晴らしいものは全ていつかなくなる。(良いものだけじゃないけど)はぁ。
「ラスト・ワルツ」を見ていたときの感情に少し近いな。

近々キューバに旅行するので、それまで繰り返し見ておこう。着いたらいろんなことを、見逃さないように、聞き逃さないように、五感をいっぱいにしよう。