映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

チャールズ・クライトン監督「ワンダとダイヤと優しい奴ら」1672本目

どんな映画だっけ?と思って見始めたら、のっけからジョン・クリーズ、しかも裁判のときの大げさなカツラ姿。続いてマイケル・ペイリンが吃音の青年役。なんだ、モンティ・パイソンものじゃないか(嬉しそうに)。
ワンダ(演じるジェイミー・リー・カーティス)が明るい悪女なのはわかるけど、一見したところは”ファム・ファタール”には見えません。ショートカットだし明るいし。
そしてこの映画で最高なのは、二枚目なのにおバカさんなケヴィン・クライン。この映画だけで惚れてしまいました。「ソフィーの選択」のネイサン役も彼か。ネイサンはエキセントリックで親しみづらい人物だったけど、役者さん自身は幅のある魅力的な人だったんだなぁ。

それにしても!
原題は「A Fish Called Wanda」。冒頭でもケンがエンジェルフィッシュにワンダと呼びかける場面があります。ワンダも最後食べられちゃったのかな・・・というか女性のワンダはそうやってはなからどうでもいい存在におとしめられていて、すこし痛快。

CIAを騙っていきなり自宅に現れるケヴィン・クラインに言葉を失ったジョン・クリーズの表情とか。ケヴィン・クラインジョン・クリーズアメリカの発音とイギリスの発音を真似し合う場面とか。ギャグがいちいちジョン・クリーズらしくバカバカしくてたまりません。モンティ・パイソン好きな人に堪えられない逸品かと思います。みんなもっとこの映画見ようよ(笑)