映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

フランクリン・J・シャフナー 監督「パットン大戦車軍団」1926本目

この監督の映画を2本見たので、想像がつくぞ。これもきっと、割とイヤな映画に違いない。ポランスキーほどではないけど、最後に救いとかないに違いない。

冒頭で、冗談みたいに大きな星条旗の前で演説をぶつのが、この映画の主役のパットン少将です。軍人!って感じ。オバマ民主党に寄り切ったアメリカが今もどりつつあるのが、軍人しゃべりをするトランプの国。この映画を見たのが10年前なら「へ〜、昔の軍人ってアメリカも日本も、なんかイヤな感じ〜」くらいののんびりした感想だったかもしれないけど。

パットンを演じたのは、オレオレな役がぴったりの、押し出しの強いジョージ・C・スコット。この映画の脚本はフランシス・フォード・コッポラ。監督としてのコッポラとシャフナー監督の共通点は、豪壮で脆い男の美学、かな・・・・。

彼の戦略は歴史をなぞった、神がかったもので、実態をよく観察して分析するようなタイプじゃない。誰かの過去の栄光をなぞり続けても、勝ち続くわけがない。アメリカは、彼をうまく使うことができたから勝てたんだな。とにかく士気を高めたい時には先頭に配置し、批判が高まれば見えないところに置く。アメリカって、国としては好きだと思わないけど、戦って勝てる気しないんだよな・・・。

パットンって実在したんですよね。強烈で多分魅力的な人だったんじゃないかと思うけど、今でも昔でもパワハラで失脚必至・・・。

パットン大戦車軍団 (字幕版)