映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョン・デ・ベロ 監督「アタック・オブ・キラートマト」1931本目

想像してたより、はるかに、低予算というか低技術というか、すごいです!「カメラを止めるな!」の方がハイテク。だってキラートマトの映画なのに、トマトが人を殺す場面が一度もちゃんと描かれないんだもん。映画同好会の学生でも、例えばトマトの着ぐるみを手作りするとか、もう少し何か努力の跡を残すもんじゃないかと・・・。

しかしユーモアのセンスはなかなかです。笑いに関しては、がっつり笑わせに来てる。白い付けっ鼻の「変装の達人」・・・狭すぎる役員会議室・・・とてつもなくユルい「思春期の恋」・・・軍人たちの妙に腰つきのセクシーなミュージカル・・・ダメだけど可笑しいです、この映画。全員が無名の役者さんたちの演技が、とても自然なのはなぜ?このミュージカルとか「思春期の恋」とか、ひどいんだけど、いつかまた見たくなりそうな気がするので、ソフトをついうっかりポチってしまう人の気持ちがよくわかります。

ちなみに、字幕で流れる地元の店の広告は・・・映画館ごとにこういうのを挟んでたのかな?

人間は皆ボケとツッコミのどちらかに分かれるとしたら、ツッコミの人にはたまらない映画に違いありません。ひどい映画だけど、可笑しい。実に可笑しい映画です。