映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョン・フランケンハイマー 監督「大列車作戦」1942本目

1964年のアメリカ映画。パリからドイツへの線路の上が舞台で、登場するのはフランス人とドイツ人だけど。フランス人俳優は、ジャンヌ・モローが出てますが少数。

蒸気機関車と白黒映画って合うね。バート・ランカスターの顔がいつも煤で真っ黒で、なんかいい。この時代に蒸気機関車をバンバン壊す映画が撮れたのって、もしかしたらちょうど列車が電車に置き換わって、廃棄する蒸気機関車がたくさんあったのかもしれない、と想像してみる。

ビッシュってrubbish?変な名前・・と思ったら綴りはLabicheだそうで。フランスの普通の名前なのかも。

それにしても、名画の数々を守るためだけに、何人もの人が命をかけるなんて、バンクシーが聞いたらrubbishって言いそうだな。芸術作品の値段って、投機対象の最たるものなのかもしれない。美術館にしょっちゅう行ってるし、名画の実物の前で感動して泣いてしまったことが何度もあるけど、そのために人が一人でも死んでいいとは思えない。ラビッシュのように、何が何でも守ろうとする人たちと、何が何でも奪おうとする人たちは裏表なんだよな・・・。