映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ルイス・ブニュエル監督「小間使の日記」1738本目

1964年の白黒映画。タイトルは「家政婦は見た」とも訳せる(笑)。
ルイス・ブニュエルの「ブルジョワジーの密かな愉しみ」が面白かったのでこれも見てみた。
こっちの方がシリアスかな。
徳のある老人役が最近は多いように思えるミシェル・ピコリは、中年の頃はいつもスケべな偉い人の役ばっかりだ!ジャンヌ・モローは、メイド服が可愛いけどもうかなり迫力があって、若くて可愛い女の子っていう感じではないです。

この映画って、徹頭徹尾、男はみんなセクハラ野郎で女は老若とわず狙われる対象なんだけど、
<以下ネタバレ>
なんとなく小間使いと運転手の罪を世間では同等に扱っているのかな(小間使いが主人の死と関係があるのかどうかは語られないけど)、というのがやりきれないけど、これが当時の世相なのかもしれません。

美人というのは・・・得なのかな・・・損なのかな・・・。
男たちを思い通りにできるのは「強い」と思うけど、町中の性欲たちと闘いつづけなければならないのは大変だ。

それにしても、ルイス・ブニュエル作品って好きだな。監督自身の、強い女性の弱さに向ける視線に愛を感じる。
「アンダルシアの犬」だけ見て「げげ!」と思ってたけど、見れば見るほどいいです。
全くレンタルしてない「ビリディアナ」がどうしても見たいので、買うかな・・・。

小間使の日記(1963) [DVD]

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