映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

フランソワ・トリュフォー 監督「アデルの恋の物語」1762本目

1975年の作品ってもう43年も前!

馬鹿な女ってなんて美しいの。
そして、アデルや下宿のおばさんの装束の可愛らしいことと言ったら!
どうしようもない話だし、イザベル・アジャーニの取り憑かれたような徹底した演技のおかげで、女ってこえぇぇ!と女でも思うようなアデルなのですが、共感でなく憐れみといとしさを感じずにいられません。

これほど誰か一人に執着して愛し続けられることは、不幸ではないんじゃないか?
相手が実の子供なら、どこかの国へと失われたその子を死ぬまで追い求めることは日本では美談だよね?
アイドルやスターを追っかけたり、キャバクラやホストクラブにはまってる人たちは、限度を超えない限りは健全な発露なんじゃないか?
人の誰の心にも潜んでいる執着と激情を、否定したり抑え込むんじゃなく、「出させてあげる」世界がいいなぁ。
ってなんか映画の本質の話とズレてきました・・・