映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

トニー・ケイ 監督「アメリカン・ヒストリーX」1788本目

しまった、見る順番まちがえた!「ムーンライズ・キングダム」で空回りするボーイスカウトのリーダーをやってるエドワード・ノートンを先に見てしまったので、いくら凄まれても怖くない!失敗した!
・・・じゃなくて。

すごく痛ましい物語なんだけど、兄弟がもともとは育ちが良さそうで、底辺っぽさは感じられませんでした。
少年院での悲惨な事件も、もっと悪い映画ばっかり見てるので、割とよくあることであるかのように流してしまう自分が嫌です・・・。
この映画は、普通の家庭の普通の子達がある日何かをきっかけに激しい対立に巻き込まれてしまう、そしてそこから抜け出すことがいかに難しいかということを思い知らせてくれる映画なのだと思います。
逆に・・・「ムーンライズ・キングダム」のエドワード・ノートン(ぐれる前のデレクはこれに近い)が頭に入ってるから、そういう風に捉えやすいのかもしれません。

愛する人や大切な人を突然奪われる、というのは何より憎しみをもたらす事件で、大概の戦争はそこから始まったものだと思います。この映画にも単純な解決やハッピーエンドはないけど、報復が何をもたらすのかを、想像する力を持てって言ってくれているのかなと思います。