映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

エミール・クストリッツァ監督「ライフ・イズ・ミラクル」1789本目

2004年の作品。
ほんとにこの監督の作品って全て、お祭りみたいなマジックに満ちてる。
他のどの監督にもできないこのミラクル。人が生まれて死んで、恋をして戦って、そういうことが全部ひっくるめて「人生はお祭りだ!楽しめ!」って言えちゃうような、底のない強さと明るさ。この祝祭感は、世界中どこを探しても他の誰も追随できない・・・強いて言えば、「あまちゃん」のクドカンかな。あのドラマも、あんなに日本の昭和という超ローカルな題材なのに、なぜか海外でも人気らしい。

失恋自殺しようとして線路に立つロバとか・・・。猫もハトも犬も、アヒルの親子も、どうもなんかいい味出してる。民謡みたいな音楽もとても良い(なんと監督のオリジナル、ですよね?)

割と唐突な場面転換。監督がこれで十分と思ったら、ぷつっとそこで切る。という感じ。
いつもラストはハッピーエンドを取ってつけたようで、どうも切なくて仕方がありません。
初めて見た「アンダーグラウンド」も、その時はそれほど感動しなかったのに、あのラストが強烈に頭に残っていて、この先の一生でなんどもなんども繰り返し思い出す作品になってしまいました。なんて不思議な監督でしょう。

セルビアの彼の村「Kustendorf」にいつか行ってみたい・・・。

ライフ・イズ・ミラクル [DVD]

ライフ・イズ・ミラクル [DVD]