映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

エミール・クストリッツァ監督「オン・ザ・ミルキーロード」1820本目

こんな新作撮ってたんだな、クストリッツァ監督。
相変わらず、冒頭から動物たちの演技が天才的。天才ロバ、天才ヘビ、天才ガチョウたち、天才熊、天才羊たち、
天才猛禽類も。(笑)
そして珍しく監督本人が出演しています。もしかしてモニカ・ベルッチと恋人役をやりたかったんじゃないの〜?
というかベルッチは普通にペルシャ語を喋ってイランの映画に出たりしてたけど、この映画では何語なんだろう。

監督は風貌が、監督のほかの映画の雰囲気と違って割と深刻顔なので、いつもより映画にちょっぴりシリアス感があります。

監督&モニカが小屋で過ごす雷の夜、ベッドインと同時に小屋がバーン!と崩壊した瞬間、何かを思い出した・・・・わかった、「八時だよ!全員集合」だ。セットが崩れ去って廻り舞台が動き出し、チャーラッチャチャッチャラッチャという音楽が流れる。この監督の作品に一番似ている日本の映画人はドリフターズである、みたいな。

主役が監督とベルッチであることに馴染めないままだったので、いつもの市井の人々(っぽい俳優)の映画ほど楽しめなかったけど、変で楽しい世界でした。