映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ポン・ジュノ 監督「殺人の追憶」1832本目

2003年の作品。「グエムル」の3年前、「スノーピアサー」の10年前。
ミステリーというより暴力刑事ドラマでした。今では完全にアウト!(おそらく韓国でも)な、容疑者を殴る蹴る自白させる取り調べ。見応えがあったし、韓国の農村の暗い風景が忘れられないけど、謎をちりばめておいてスコーンと突き放すのは、娯楽映画としては物足りない・・・。それが現実なんだろうし、突き放すことで無常を描いてるんだろうけど。かなり面白くエンターテイメント性の高い映像を作る監督という気持ちで見ていると、ちょっとアンバランスに感じます。

こういう映画を見ることで、お隣の国の知らなかった部分を覗き見られるのも、映画の醍醐味。「万引き家族」みたいな日本映画も、外国の人が持っている豊かでみんなセカセカしてる日本のイメージを、ひっくり返してくれるといいな。