映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

北野武監督「アウトレイジ 最終章」1846本目

北野監督の作品とは元々なんとなく相性が良くない上に任侠ものはかなり苦手な方なのに、「アウトレイジ」と「ビヨンド」は意外に面白く見たのだ。とはいえこの作品は、前二作と違ってタイトルに魅力をぜんぜん感じなかったんだけど(だって「アウトレイジ」も「ビヨンド」もかっこいいけど「最終章」って説明的すぎるよ)、コンプリートしたい気持ちと、評価の高さでやっぱり見てみました。

日本のヤクザには在日の人がいるとかいないとか、いてもいなくても私はどっちでもいいんだけど、いかにもな設定で舞台が済州島ってところが、ちょっとがっかりする。

あと、前2本ですでに息絶えた人たちが登場しないのが寂しいというか。登場人物が多いから、どうしても、3本目になるとヤクザ役でもう見たことがある人が増えてきてて。加瀬亮とか塚本高史とか、桐谷健太とか山中崇とか、新鮮だった人たちがいなくて、その代わりに新鮮だと感じられる人が今回は一人もいない。原田泰造は今回初めてかな?でも「前にも出てたっけ」って思ってしまうくらい、違和感なさすぎる。白竜も津田寛治も。ただ、もはやヤクザが板に付いてきてるけど、ピエール瀧は、あんな能天気なテクノばっかりやっててどうしてこんな渋いいい顔になったんだろう。不思議でしょうがない。(※電気グルーヴ好きです。バカにしてるんじゃないよ〜)

ストーリーも、なんとなく、最後まで持っていくための説明が多くて、北野監督らしい情緒もあまり感じられない。どうしても、アウトレイジっていうプロジェクトにオチをつけなきゃならなかったんだろうけど。。

北野監督、次の作品はどういうものになるんだろう。楽しみにしたいと思います。