映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

フィリップ・ノイス 監督「今そこにある危機」1863本目

1994年の作品。
Windows 3.1日本語版が出たばかりの頃なので、ハッキングをするPCの画面はテキストベースです。
この操作感でありながらガリガリと人のアカウントに侵入するなんて、カッコイイ・・・。
PCがこれなら、対人武器もこの頃より今は進化してるんだろうか。
いや、武器そのものはメカだからそれほどの変化はなく、ドローンとかレーダーの精度とかが変わってきたんだろうな。そんなもの進化なんかするな、とも思うけど。

今から24年も前の作品だけど、PCの画面以外には古さはそれほど感じない。
女性たちのメイクや服装が若干古くさいけど、政府関係の仕事をしてる人たちのメイクや服装は、実はあまり変わってないものです・・・。
ハリソン・フォードは最近スター・ウォーズで見たときずいぶん年取ったなーと思ったけど、ウィレム・デフォーは見事に年齢不詳ですね。このまま同じルックスで、あと30年くらいは行けそう。

ストーリーは、今見るととんがった部分はあまりないけど、王道の政略もので、よくできています。
そして、今見ても、あの国の大統領はこういう策略を巡らせているんだろうか、と想像させてしまうリアリティが強いです。特に、40年来の親友が大麻薬王だと知って驚くイノセントさと、それに対して軍隊を見殺しにしても大金を取り戻そうとする冷酷さ。なんの良心の呵責も感じずにこういう判断ができる人(サイコパスともいう)でなければ、務まらない仕事なのかもしれません、大統領って・・・。