1976年の作品。
マイキー=ピーター・フォーク(当時49歳)とニッキー=ジョン・カサヴェテス(47歳)の逃避行・・・なんて、それだけでゾクゾクしますね。なんてチャーミングでキュートな男たちでしょう!映画が好きで、熱くなって演じてるから素敵なんでしょうかね。なんにしろ、何かに脇目も振らず打ち込んでる男たちって最高にいいです。
最高におバカさんで、最高に可愛い。
ここで監督が女性と知って、彼女も同じ気持ちに違いないと確信してしまいます。
それにしても、いい女がこれだけ出てくるのに、男たちからまともに扱われないし、中途半端な感傷がこれほど見事にスカッ!と裏切られると、男の映画なのかなと思いそうだけど、これが女性監督というのは意外。コメディエンヌだから、残酷さの快感も知ってるんだろうな。笑いってのは期待や絶望や、人間の複雑さを知らないと惹起できないものなのかもしれない。
女たらしで衝動的で、いいところのないニッキー。そんなニッキーを、見放しそうになりながらも愛しているマイキー。愛憎は紙一重なのだ!
二回見ると、結末を知ってるので切なくなりますね。ニッキーの言葉の一つ一つが結末を予感させるというか、わかってたんじゃないか彼は、と思わせる。彼って典型的な、「スリー・ビルボード」とか「アイ・トーニャ」に出てくるような、荒くれ者の世界の純粋さ(いうなれば、心に偽りのない、衝動のままに生きて滅びるものこそ神の子である、という感覚)を持った男なんでエスよね。だからとてつもなく愚かで可愛い。
デリカテッセンでクリームを注文して、何が何でもコーヒーがないと売れないという店員と、最後は力づくで手に入れるマイキーのやりとり。こういうなんでもない場面が、一生頭に残ったりするんだよなー。そのうちニューヨークにでも旅行してこういうお店に入ることがあったら、「ミルクとクリームをくれ」って言ってみたくなるかも・・・。
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