映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ウェス・アンダーソン 監督「犬ヶ島」1884本目

2018年8月10日、キャセイパシフィックの機内で見た1本目。
珍品、って感じですね。こんな映画を作るウェス・アンダーソンに少し好感を持ちました。
だってタイトルが犬ヶ島で、舞台がメガ崎市だよ?長崎、茅ヶ崎、メガ崎。ミリ崎、キロ崎、メガ崎。ありそうな気もするけど絶対ない言葉。

彼がブダペストを想像して作ったグランド・ブダペスト・ホテルも、たぶん本当のブダペストとは違うんじゃないかなと思ったけど、これはさらに度を超えて日本と似ていない、でも面白い。日本の尖った若いアーティストみたい。ブレードランナーの中の歌舞伎町と同じくらいの違和感でゾワゾワします。舞台は昭和30年代、少年の名前はアタリ(日本語っぽいのかな、同じ名前のゲームPCは日本製じゃないけど)、メーラーと同じ名前のMajorDomoはむしろドーモくんを連想させる。ある意味での完成度が高くて、監督の完璧主義、彼の中で完結しているおかしな日本が描かれています。

最初から最後までそんな調子で、ムズムズ、ゾワゾワ、しながら楽しみました。