しっとりとした詩情のある映画でした。
大泣きさせるんじゃなく、しんみりとさせておいて、ホイッと最後に視点を変えて昔話みたいに終わったのも、考え抜いてのことだっただろうと思います。
でも、認めたくないなぁとも思う。
上司から言われて人を切ることや戦争で犬死にすることが、この映画の中では美しすぎるから。
宮沢りえは美しくて真摯で素晴らしいのに、どうしていつも地声じゃなくて裏声で演技するんだろう。これは本当ではなくて演技ですよ、と、ことさらわからせるみたいに。
美男子の清兵衛を、本当に無精髭だらけの落ち武者に仕立てるんじゃなく、適度に汚してみせる感じもイヤだ。
ストレスが溜まってて何も考えたくないときに、感動の方程式通りの涙を流したいときはいいけど、自分で何かを見つけるというより、ジェットコースターに乗って流れ作業で泣かされるような映画って、どんな大監督が撮ってもやっぱりちょっとイヤなのでした・・・。
- 発売日: 2013/11/26
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