映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ショーン・ベイカー 監督「タンジェリン」1897本目

クリスマス・イブのロサンゼルス。分厚い上着を着た女、タンクトップ一枚の女。みんな娼婦だ。
半分くらい見たところで、iPhone3台で撮ったという話を思い出しました。
臨場感あるなーと思って見てたけど、言われないとわからない。それは映像に手ブレがないし音声もクリアだからかも。なるべくビカッと光る白いライトとか当てずに、それでも明るく撮るのってどうやったんだろう。実はがっつりと台座に置いて、ごついマイクも接続して撮ってたりして??

トランスジェンダーの二人が生きてて素敵で、「本物の女」のダイナの方がくたびれた雰囲気。アルメニア人ドライバーもいいなぁ。妻の母親からは、国を追われた悲劇の民みたいなレッテルとか絶対貼るなよ!と怒られそう。

群像劇というのでしょうか、こういう作品には観客の私がその場にいるように感じられる演出は効果的。
しかし、監督は何を撮りたかったんだろう、何を伝えたかったんだろう。よくわからないけど、突っ込んで考え込むのはとても無粋な感じのする映画です。

車の中にぶら下がってるオレンジの形の芳香剤が、なんか安っぽくて可愛い。。。
まさかこれが映画のタイトル??