映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

シドニー・シビリア 監督「いつだってやめられる 闘う名誉教授たち」2103本目

満を持して第3作=最終作。

いつも音楽に勢いがあっていいね。音楽だけは英語で、欧米というより英米の新しい楽曲が時々大きく流れる。それ以外の場面は基本、音楽なし。この感じが、ずっとムード音楽を流すことで映像のムードを決めてしまうアメリカや日本のドラマと違ってていいなと思う。

で、今回は、前回の最後で気づいてしまった化学式から製造される、極東のどこかの国で大きなテロに使われた恐ろしい化学物質。

時折はさまれる、デジャヴってイタリア語だったっけ?などと首をひねりたくなる反復ギャグ。よしもと新喜劇みたいで好きだわ・・・。

しかし今回は、お気楽ドラッグを合成してる奴らとは違う、目が笑ってない「悪い」研究者がとうとう登場します。そして、対抗するために三たび終結したいつもの顔を見ていると、こいつら今回も健在だ!と嬉しくなってしまうのです。

ハリウッドや日本のスパイ映画のような緊迫感はなく、舞台でなぜかオペラを演じる脱獄犯・兼・文学系の研究員たちも笑わせてくれます。すっごいカタルシスはないけど、これで3部作のオチがついたな、ってところですかね。