1970年のイギリス映画。(否、監督自身がDVD収録のインタビューで、アメリカと西ドイツの合作だと言ってる)
「エロティックな青春」系の甘酸っぱい映画かなと思って途中まで見てたけど、よく見ると「11ミニッツ」で私の度肝を抜いた老監督の監督デビュー作ではないですか。最後まで見るとやっぱり、甘くも酸っぱくもない、不思議で苦い物語でした。本当に面白い監督だなぁ。「11ミニッツ」の感想で私は「犬死に」という言葉を使いましたが、こんな初期の作品にすでにそのテーマが出てきてるじゃないか。不運な偶然が重なって重なって、誰も予想していなかった、全く意味のない死に至る。死はちっとも暗くも辛くもなく、ただやって来る。この達観した死生観。日本の侍や若い兵士みたいに。この感覚を、第二次大戦下の監督の祖国で起こったことと結びつけようとするのは、無理があるかな・・・?
Well, I might die tonight---っていう印象的な曲が冒頭や最後に流れるんだけど、キャット・スティーヴンスとカンによるものだそうで、贅沢なコラボです。
まだ女性を知らない綺麗な少年と、男好きする年上の女性。二人ともとってもチャーミングだけど。ジェーン・アッシャーはこの映画では見せない、思い切り笑ったときの顔の方が可愛いですね。
少年の最初のお客さんとして登場するおじさんが、スコリモフスキー監督自身に見えるんだけど、違うかな・・・?