映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

R.バールキ 監督「パッドマン 5億人の女性を救った男」2186本目

愛ある映画だった。こんなに優しい夫なんているの?インドって男尊女卑で、夫はみんな妻を家政婦のように扱うのでは?くらいに思ってたけど、悪い先入観だったのかもしれません。

しかし、こんなに優しいのに夫の愛はなかなか伝わりません。。。使い物になる”パッド”もなかなか完成しません。女性の下半身の問題にふれたことで、村を追われるというほどのことは、実際ありうるの?清潔でない布を使い続けることや、”けがれ”の悪習がなくならないことの原因は、教育が行き届かないこと?

デリーのMBAに通っている女性は、都会っ子だから、あるいはお金持ちだから、生理用品を普段から使っていたのかな。「55ルピー」と「2ルピー」の価値ってどのくらいだろう。。。27倍だから大きな違いだ。2ルピーが100円だとしたら55ルピーは2700円だもんね。彼が大金持ちになっても、それはそれでいい映画だったと思うけど、仕事を持てない女性たちが自立できるようになるのはとっても大事。

優しい気持ちになれるハッピーな映画だけど、インドって国は大きくて、人口の半分だけで5億人もいる。布を何度も洗って使っている人たちは、多分今もいる。豊とか貧しいとかって、収入だけでは決まらないと思うけど、生理の処置はどんな人に清潔に快適にできたらいい。それが、最低限の幸せだと思う・・。