映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

キャメロン・クロウ 監督「シングルス」2187本目

 シアトル、1992年。ニルヴァーナでいえば「ネヴァーマインド」と「イン・ユーテロ」の間。Windowsでいえば最初のメジャーバージョンである3.1が出たとたんにバカ売れしていた頃。まだ独身者向けアパートは高騰していなくて、シアトルはジミヘンの思い出の残るグランジの街だ。Nintendo Americaがシアトルにできたのは1982年だから、この映画の若者はゲームをやって育ったかもしれない。Amazonの創業は2年後。グレイズ・アナトミーはこれより10年以上あと。・・・そんな時代のシアトルです。

普通の若い大人たちが出会って別れて、という人間ドラマで、そこがシアトルでなくても良い感じはするけど、気分を変えるために出かける先がアラスカという距離感(意外と”地の果て”まで簡単に行ける)とか、都会なんだけどどこか落ち着いていて人が多すぎない感じとか、暮らしやすい街っていう性格が生かされてる気がします。

主役はキーラ・セジウィックキャンベル・スコットなんだけど、ブリジット・フォンダマット・ディロンっていう有名俳優がどうしても注目されてます。それぞれが一生懸命生きていて、共感が持てます。

恋愛って本当に、進んでいいのかやめたほうがいいのか、迷うし、怖いし、正解はないからね。怖がりすぎないで、心を開いていけばいいのかな。などと思ったのでした。

シングルス (字幕版)

シングルス (字幕版)