映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ニコラス・ケンドル監督「天使といた夏」2307本目

カナダ映画デヴィッド・ボウイが出てるんですよ。1999年といえば20年も前で、元気そうではあるけど、年とったね、という印象もあります。彼の役どころは「難病の少年を勇気づけるため、自分の死後に謎解きを残していった男」です。なんかしんみりしますね…彼が最晩年に残したミステリアスなミュージックビデオのこととか考えると。

この撮影時にはおそらくまだ、自分が将来病気になることや寿命のことなど明確にイメージしてなかったんじゃないかと思うけど、その後の彼の死生観にこの映画は影響を持ったかもしれません。

映画自体は、あまりにもボウイの出番が少ない!1日くらいしか撮影に参加できなかったんじゃないか?と思うし、せっかくワクワクして見てるのに、謎は暗号らしきものとダイヤルのいっぱいついた指輪で、オーウェン君が一人でスラスラ解いてしまうので「え・・・」って感じです。なんとなく全体的に練れてない映画ではあります。ただ、コンセプトは素晴らしい。ボウイって本当に不思議で、特典映像のインタビューでも「作品を選んでるというより、向こうから来るんだ」と答えてるように、このコンセプトがまさにぴったりなんですよね。

ファンが見ると、あまりに出演場面が少ないので物足りないと思うけど、コンセプトだけでも見てよかったかなと思います。日本語の情報がとても少ないので、英語のWikipediaとか見てみると良いかも。

天使といた夏 [DVD]

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