いろいろ作りすぎてる気はするけど、この映画はとにかくメアリーとエリザベス、シアーシャ・ローナンとマーゴット・ロビーの演技が素晴らしいです。前情報なしで見たので、「シアーシャ・ローナンとマーゴット・ロビーに似てるけど、もしかして本人?」と思ってしまったくらい、この映画の独自の世界のなかで生きています。
マーゴット・ロビー・・・私は「アイ、トーニャ」と「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」でも彼女に強い印象を持ったんだけど、トーニャでは感情をむき出しにしかできない激しく繊細な女性、シャロン・テートでは天真爛漫な美女で、この映画では美しさを放り出して、強く、みにくいほどの権力欲に支配された女性でした。まったくの三人三様。この人の演技力はすごい!
シアーシャ・ローナンは「ラブリーボーン」や「つぐない」(またずいぶん幼い頃のだ)の身体の弱そうな美少女とは別人で、賢く意志の強い大人の女性になりました。もうこんな役が演じられるんだな、この人は。
男性陣もいい演技をしてるんだけど、この二人、そしていつも閨の外でどぎまぎしたりしている侍女たちの表情、女性ばかりが印象に残ります。と思ったら案の定?ジョージー・ルーク監督は女性でした。DVDの特典映像でルーク監督はメアリーとエリザベスの出会いの場面についてじっくり語っています。うーむ、どうしてこう、わかるんだろうな、女性の作った映画って・・・どうしても男性が、エリザベスが言うように“妻”になっちゃうんだよなー!
この監督はきっとこれからも女性vs女性の映画を作ると思う。いろんな時代、いろんな場所の映画を撮って、普遍性を私たちに示してみせてほしいな、と思います。
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