ヒッチコックの作品も、見てないのが残り少なくなってきました。さすがに「傑作」にあう確率さがってます。
普通は夫婦のうちどっちが孔雀かというと、着飾った奥さんかな?と思うけど、この映画ではフラフラ飲み歩いてる「孔雀」が夫で、働いて稼いできてそんな夫の面倒をみてしっかり家庭を管理してる妻の名前がジュノーです。この奥さん、昔ながらの「おばちゃん」って風貌。サラ・オールグッド、当時51歳と思われます。年齢相応ではあるけど、くたびれていて、美食で太ったというふうではありません。(という役柄)
ダブリンの下町の一家に降りかかった幸運が転じて大きな災難となるお話なんだけど、賢い妻と美しい娘にはこれからの人生がある。こういう、隣近所とのつきあいが密な街の人たちって、なんとなく打たれ強く感じられるんですよね。アイルランド独立問題がからんでくるのですが、1930年はアイルランドが「イギリス自治領」になったのが1922年、その後英国に残された北アイルランドをめぐって1年近く内戦が続いた、という時代背景は無視できません。市井の人々は元気でも、ダブリンには、自由のために戦ってもだめだったという空気がはびこっていたのかもしれません。
って書いててちっともヒッチコックの匂いがしませんね!
悪い映画でもつまらない映画でもないけど、これがヒッチコック作品でなければ今でも字幕付きDVDで日本で見られることはなかっただろうと思います。個人的に、ヒッチコックを意識しなければ、わりと好きな作品かも。