映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

J・J・エイブラムス 監督「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」2345本目

宇宙未来SFってごまんとあるけど、スターウォーズ はやっぱり好き。私の好みに合うというより、この映画が私の好みを作っていったからです。小学生の時に見て、それから一緒に大きくなってきました。

今日も映画館に、すごくきちんとした中年のサラリーマンが何人もいました。きっとこの人たちも半休取って、9部作のしめくくりを真っ先に見たかったんですね。

最初のシリーズは学生時代で、次のシリーズは前の会社のとき。アメリカ出張で、日本より先に発売されてたグッズを買ってお土産にしたら、もと少年たちが「おおおーっ!」って喜んだのを覚えてます。

そして今回の3本は今の会社に移ってきてから。最終章を終えてやっとまた新しいことへ踏み出そうと思える。

スターウォーズ の凄いところは、40年前っていう昔から、誰の中にもフォースがあって、それには暗黒面と光の面があるということを、子どもが見る映画なのに隠そうとしなかったところ。自分の中にも真っ黒な血が流れていると自覚しない限り、それを飼い慣らすことはできない。だからこそ飼い慣らして、光に向かっていくことが大切。見終わったあと、どっしりと安定した希望を感じられるところが好きなんだ。

親子と友情と愛、血でつなぐものと「血を超えるもの」。血より大事なものがあると信じる人しか、人種や性別間のあらそいを超えられません。この映画の勝利を喜びあう場面では、女性同士でキスしてるカップルが見られます。

レイア姫、じゃなくて将軍が最後まで名演技を見せてくれたのも嬉しい。レイが最初よりうんとたくましくなって、本当の戦士みたいになっていったのも嬉しい。カイロ・レンの顔のひび割れが、レイとの戦い以降消えてたのは、大雨のせいじゃなくて、彼の内面の変化によるものだって考えていいよね?とにかく、9本で完結するスターウォーズ の最終章を見届けられたことが幸せ。

つってもまだ続くのね。凛々しくなったレイの次の勇姿をまだ見たいので嬉しいけど、自分としては、一緒に育ってきたスターウォーズ はこれで終了です。