これは面白かった。見た人たちの感想に「引き込まれて最初から最後まで一気に見た」というのが多いのも、わかります。最近よくある、CGやストップモーションなどを使った非現実的なエフェクトなど何一つなく、ある意味白黒の時代の映画みたいにシンプルで勢いのある映像で、力があればエフェクトに頼らなくても本当に面白い映画を作れるんだ、と実感します。
実際に事故が起こるのってこういう状況なんだろうな。退屈な作業をルーティンで回すだけの作業員たち、ちょっとした問題に適当に対処しても、失敗したときのインパクトとか想像できない。ミスというより対応遅れ、後手後手に回るうちに取り返しのつかない事態が間近に迫ってくる。エリートたちvs世界を我が物にしようとする大悪党、とかじゃないところにリアリティがあります(だって実話だし)。
誰でも犯す単純な判断ミスをした人も、憎む気にはなれない。彼は私だったかもしれない。でも、だからこそ、こんな難しい状況で命を張って戦った人たちが輝いてきます。この映画はシンプルにお勧めですね。