この映画は、ガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナが製作に名を連ねてるのでずっと見ようと思ってたのですが、よく見たら監督のキャリー・フクナガは次の「007」の監督に抜擢された人ですね。この映画のあとには「ジェーン・エア」を撮ったのね。
で、この映画ですが、ドキュメンタリーのような、過剰演出のない映像で、特に人が亡くなる場面がさらっとしています。比較的遠いカメラで、野生動物を撮るみたいに、「神妙だけど特別じゃない」ような撮り方。私こういう控えめな演出って好きです。
役者さんたちもリアルで、彼らの密入国を応援する気持ちになってひたすら見つめてしまいます。切ないけど、こんな事実が実際にあるんだろうな。でも、必要以上に悲壮感を強調するわけじゃない。彼らが逃亡したり「敵」を襲撃したりするのは生きるためで、それぞれに生命力がみなぎってる。テーマは生き延びることであって彼らの不運にスポットライトを当てることじゃない、という印象を受けます。
007楽しみだな。きっと過剰演出の少ない、本当に迫力のある映像が見られそう。