アルモドバル監督の作品は、女性それも母を礼賛するのが多いなぁ。男性は彼女たちを粗末にして殺されるような役どころが多い。女(キカ)はこの映画でもまた()父とも息子とも寝るんだな…。
なぜかファッションデザイナーのベルサーチとコラボしてる。なぜ?と思ったら、一人だけ変わった衣装の人がいる。頬に傷のある女、演じるのはビクトリア・アブリル、「アタメ」の主役だった人だ。この人だけちょっと違った雰囲気。丸い目、クールなたたずまいがジュリエット・ビノシュにちょっと似てない?で、彼女は異形の突撃テレビレポーターで、頭にテレビカメラを搭載した昆虫みたいな甲冑(ベルサーチ製)に常に身を包んでいます。インタビューというより尋問を始めると、両胸のライトがびかびか光る。変だけどちょっとカッコイイ。
ストーリーは荒唐無稽でちょっとつじつまは適当だけど、人間関係のドラマとしていつものようになんとなく納得させる力があります。
キカは息子の方のラモンを二回蘇生します。父のほうは連続殺人犯。アルモドバル監督の映画はいつも、女(たち)が「まいっか」と言って進んでいきます。あー、私もこの映画の女たちみたいにカラッと生きていきたいわ~。