この監督の映画見るの、初めてだ。初の脚本家から監督への転身、いまは忘れられた大監督、なのだそうです。爆裂トーク、大げさアクションの典型的なコメディですね。楽しい。
飛ばしてる車の中で乗ってる人たちがあっちにぶつかり、こっちにぶつかり、キッチンのコックに何がぶつかりあれがこぼれて…という場面なんか、テンポとか間が良く、大げさなのにやりすぎず、絶妙。いいなぁこの監督。こういうシンプルな可笑しさって、すごく好きです。80年代あたりのサタデー・ナイト・ライブとかに受け継がれてる気がする。
ダイナーで出会う“謎の美女”の、クールなコメディエンヌぶりも最高。「ルビッチの映画に出られなかった」って話とか出てくるので調べたら、エルンスト・ルビッチ監督とスタージェス監督は50歳違いなので、スタージェス監督から見たら大御所ですね。
主役のサリヴァンを演じているジョエル・マクリーはヒッチコックの「海外特派員」で一度見てた(私すごく面白かったと感想を書いてる、もう一度見てみよう)。骨太で気さくな二枚目ですね。彼が出会う「The girl」を演じるヴェロニカ・レイク、ツンデレのはしりですかね?こういう冷たい美女が破顔一笑したりすると、それだけで可愛くて好感度ダダ上がりです。
社会派に走りかけた映画監督が、苦労を経験したあと「そんな人たちを元気にするコメディを作ろう」と決意する。社会派映画にも素晴らしいものがたくさんあるけど、人を笑わせようという彼の決意は、ルビッチをリスペクトする監督らしくて素敵。
いい映画だったな~。