やけに好きなルイス・ブニュエルの作品を、また見られて嬉しい。舞台はスペインなのにフランス映画。
なんか色々おふざけが多いな。彼の作品にはカトリックの問題点に触れるものも多いけど、この映画ではおちょくってますね。この前に作られた「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」で貴族をおちょくったのと同じノリです。
この映画は、登場人物の一人が移動すると場面が変わる構成で、ふっと目を離すと「??」となってしまいますが、つながりを見失ったところで困るようなストーリーはありません。
その中でも行方不明の子ども事件?はなんとも言えないですねー。いるじゃんそこに。
まぁほかのエピソードもそのような人を食ったコントなのですが、笑えるというより、終わって初めて「…あ、そこネタだったのね」と気づくような、そこはかとない可笑しみです。これがフランスのペーソスというものか…。
巨匠の晩年の作品なわけですが、観客が戸惑う様子をクスクス含み笑いをしながら見て売る監督の姿が浮かぶようで、全然達観したり悟りを開いたりしないところが愉快ですね。ルイス・ブニュエルってやっぱり変!