映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

デクスター・フレッチャー 監督「ロケットマン」2396本目

ロケットマン、冒頭に飾り立てたエルトンが“反省会”で告白をしている図がちょっとやりすぎ?と思ってしまったけど、すぐに慣れて、そんな過剰さが彼らしさ、つまり、弱さと美しさなんだなと思うようになりました。

天才が幸せになるのはすごく、すごく、難しいのだと思います。28年にわたる禁酒と節制がなければパートナーと幸せに暮らし、順調に音楽を作り続けられない、くらい。

改めて彼の楽曲の並ぶもののない素晴らしさも、再確認してしまいました。この映画見たあと「エルトン・ジョン・オールタイムベスト盤」買った人、世界中で何万人もいたかも。

あまりにスムーズに歌が入ってくるので、きっとまずミュージカルが先にあったんだと思ったけど、違ったんだな!現役の歌手だから彼の役ができる俳優×ミュージシャンを見つけるのが難しそうだと思います。それに、彼の半生はゴシップとして長年ばらまかれてきたとはいえ、ここまでさらけ出す映画を作るのってすごく勇気が要ります。でも、自分の中にある真実を楽曲にして歌うのがアーティストという仕事だから、さらけ出すことには長年、慣れているのかもしれません。

タロン・エガートンはどうなんだろう?と思ったらかなりぴったりでしたね。似てるわけではないのに、どこか朴訥さがあるのがいい。エルトン・ジョンの詞のパートナーのことは実は知らなかったのですが、繊細な詞を書ける彼は人を思いやることも得意みたいですね。硬くなってしまった人の心をゆるめて、癒せるのは、人の思いやりや温もりなんだと思います。

いい映画でした!

ロケットマン (字幕版)

ロケットマン (字幕版)

  • 発売日: 2019/11/27
  • メディア: Prime Video