映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

石井裕也監督「町田くんの世界」2427本目

まったく期待しないで見たら、思いのほか面白かった。

町田くんっていう稀有なキャラが、マウンティングしあう時代には清浄剤であり潤滑油であり、キャスティングの妙と監督の熱意とでいい作品に仕上がっていました。

町田くん!細田佳央太って子は初めて見たけど町田くんというキャラにしか見えない。(彼でなければ中川大志だな)

お人よしって実在けど、ここまで徹頭徹尾バカ(いい意味で)はいないし、お人よしが他人に影響を持つことはもっと可能性が低い。けど、だからこそ、現代の都会のおとぎ話として和ませてくれるんだな。

なんか、ありがとうと言いたくなります。

まじめな関水渚も、どネガティブの池松壮亮も、チャラ男の岩田剛典も、スカした前田敦子もいい。石井裕也監督の作品は、「川の底からこんにちは」が一番好きで、それ以降はすこし減速したと思ってたけど、ここに来てまたいいなぁと思えました。メアリー・ポピンズかよ!

「そういうのどこで教わったの」

「Men's Non-Noだよ!」