これは1964年と大昔の作品。出どころはおそらく町山智弘の本だ。白黒で、冒頭のタイトルからなんだかクール。昨日見た「昆虫パニック」よりずっとソール・バス(オットー・プレミンジャーとかの映画タイトルデザイナーとして有名)が監督したっぽい…。(クレジットを隅々まで見たけど、ソール・バスは出てないなぁ。「Art of Titles」ってサイトによるとタイトルはTri-Artsという人たち?の作品だそうです)
それにしても、なんて恐ろしい映画なんでしょう。邦題も秀逸だし、悪いやつらのキャラクターもみんな極端で、冒頭に登場する溺愛息子の遺書の不吉さもあいまって、悪夢はどんどん深まっていきます。
ただ、暗澹とした雰囲気にならないのは、悪い奴ら、とくに殺人狂の青年のキャラが不思議と明るいからで、監督はたぶんマトモな人なんじゃないかと思われます。どうもこの映画がデビュー作のようなので、ルイ・マルの「死刑台のエレベーター」やポランスキーの「水の中のナイフ」みたいに、最初の作品に渾身の力を込めたことが伝わってきますね。その後どうしたんだろう。失速したのかなぁ…。
- 価格: 880 円
- 楽天で詳細を見る