かなり昔に見て、メリル・ストリープがとても悲しい役をしていた記憶だけあったのですが、なんだか気になったのでタイトルだけを頼りに探して見直してみました。
冒頭を見ただけで思い出した。まだ若いメリル・ストリープやシェールが核燃料の工場で働いてて、被ばくする話だ。制作は1983年、チェルノブイリが1986年だから、まだパンクスくらいしか「No Nukes」って言ってなかった時代です。(パンクスが騒いでたのは原発で働いて事故にあったりしたのが、彼らの仲間だったから)カレン・シルクウッドは実在した活動家で、証拠書類を新聞社に届ける途中で交通事故死したのは1974年。
彼女が不自然な大量被ばくを繰り返し、追い詰められていくのを見ているのが切ない。夫と子どもを置いて突然家を出たのは事実みたいだけど、その後女性と男性の恋人、3人でずっと暮らしていたのは事実なんだろうか?心のままに生きた彼女に敵がいなかったといえば嘘だと思うけど、子どもみたいに裏表のない優しさを見ていると気の毒でなりません。
脚本が「ユー・ガット・メール」や「恋人たちの予感」のノーラ・エフロンだったんですね。どうりで日常的な女性たちのおしゃべりがリアルで生き生きしています。
この映画、今こそ見直したほうがいいんじゃないかな。「第五福竜丸」とかもだけど、大規模原発事故が起こる前からちゃんと知られていて映画にもなっていた、普通の人たちの転落を知っておきたいと思います。