映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョージ・キューカー監督「椿姫」2469本目

誰もが引きこもっているこの時期。Amazonプライムで映画を見てればいいんだけど、私のネットは使用料の上限が決まっているので、そろそろやめといて、こういうときのための買い置き”コズミック出版”DVDを鑑賞することにします。

椿姫は様々な人たちが演じ、映画化もされていますが、これは主演グレタ・ガルボ。細眉!(としか声が出ない)ほかの女優さんもきれいなのに、彼女だけが輝いて目立っています。またこの相手役、偽バロン?ことアルマン役のロバート・テイラーの美形ぶりも際立ってますね。美しい人たちを見るのはほんとうに眼福…。(うっとり)

しかし椿姫マルグリット、ぜいたくがたたって死病にさいなまれてるという設定ですが、どこが悪いんだろう。「椿姫 死因」でググったら、肺結核らしい…あれ?貴族の子女だとばかり思ってたのに、原作の設定を見たら彼女は「高級娼婦」なんですね。(見た目では私にはわからないのでした)だからパトロンが出てくるし、良家の青年との結婚が反対されるのか。なんか「高級娼婦」って存在は、お金持ちの人たちの身勝手さが形になったようでイヤですね。彼女たち自身は教養もあって美しかったといいますが…。アルマンの父ってのがしょうもない俗物で、マルグリットに向かって「男を破滅させるような女とは結婚させられない」とか口にするんだけど、ほんとに、人を批判する言葉ってその人の中にある嫌らしさを相手に押し付けただけだなぁと思う。それでかわいそうだとか美談だとか…

グレタ・ガルボの圧倒的な輝きは、彼女が人間や自分のことをよくわかっていて、肯定できてるからなのかな。

郊外の邸宅のベッドで、地元の料理人が持ってきた牛乳をボウルみたいに大きな丸いカップで飲むマルグリットが印象的でした。

映画で楽しむ名作文学 2 DVD10枚組 BCP-040

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  • 発売日: 2007/01/01
  • メディア: DVD