テレンス・マリックの映画って、詩だよなぁ…。テンポがやさしくて、うっとりする。オルガ・キュリレンコやレイチェル・アダムスはもちろん、ベン・アフレックまで美しく見える。
すごく変なことをいうと、カメラの視点が幽霊みたいなんだ。被写体たちと同じ世界に生き生きと、生々しく、存在してるんじゃなくて、暖かい目で距離を置いて見つめてる。憧れるように、懐かしむように。彼らがそこにいてただ生きて生活してるだけで愛しい、というような視点。だから、見てる私もつられて、地球上の生けとし生けるものが全部いとしく思えてくる。
娘役のタチアナちゃんは、プチ・キュリレンコって感じ(ママと髪型同じ)で可愛い。
っと急に、存在感重量級のハビエル・バルデムが牧師だ。重厚に悩みを抱えてる。幸せのかたまりみたいだったキュリレンコが壊れていく。その告解を聞く牧師。
言葉は説明でもセリフでもなく、詩みたい。全体的にバレエみたいだよね、意味を決めつけないでふわっと表現して見る人の解釈の余地を残してあって。その分わかりにくい。この監督の映画何本か見たけど、動きのあるストーリーの分、わからなさが堪える。
”愛にも信仰にも永遠などない” がテーマなんだろうか。だとしたら、まさかの「ラ・ラ・ランド」がこれと似たテーマってことかな。愛し合う人がいたり、信仰にささげたりする時間のあいまにふっと、気持ちの隙間が生じて、何を信じたらいいかわからなくなる…そんな瞬間の気持ちを語るナレーション
オルガ・キュリレンコってとにかく「美人女優」ってことばかり言われてるけど、お茶目で傷つきやすい天真爛漫な部分が見られてよかった。(コロナ感染してしまったそうだけど、回復したようで良かったです)