映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ベネット・ミラー監督「マネーボール」2480 本目

面白かった。ブラッド・ピットのいつものふてぶてしい、不貞腐れたような演技が、ビリー・ビーンによく合ってる。数字に強い相棒を演じるジョナ・ヒルも、空気読まない秀才らしくて良いです。実話ってところがなにしろすごい。アメリカって昔からスポーツにも科学や統計を持ち込んで勝利を収めてきたイメージだったけど、世界中どこでも、全く新しいやり方を持ち込もうとすると、既存勢力との軋轢がこんなにあるんだな。恨みに思った人もたくさんいただろう。むしろ、誠実に勤めてきた人がはじき出されてる、とすら感じる。

全員いっしょに勝てない集団のなかに安住するより、誰かを捨てて集団として生き残るほうが「良い」のか?…簡単に「イエス」といえない問題かもしれないけど、前者をつきつめれば「勝てる」という答えを示してくれた意義は大きいと思います。

マネーボール (字幕版)

マネーボール (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video