タイトルで興味をひかれてました。見てみたら、いろんな点でとても興味深い作品でした。
・まず、娯楽作品として面白かった。
・イエスの設定が「聖おにいさん」みたいにフラット。(最後なんかまるでモンティパイソンだ)教会に通ってたおじいちゃんのために、仏壇に線香を上げてたりするし。このあたり海外の観客は混乱しないのかな。
・子どもの視点で、まるで由来くんが自分で作ったような感覚の作品。上から目線で見下ろす大人の不在が、NHKが実験的にやってる「オドモTV」みたい。(子どもにアイデアを出させて大人が一生懸命作るふしぎな番組)
・公式サイトにも書かれてたけど、画面構成が完璧で、子どもの世界を描いた美しい絵本みたいだ。学校の廊下の扱いは老成してるっていう印象さえある。なのに大人の郷愁をまったく排して、子ども自身が見てる世界のようなのがいい。いわさきちひろの絵みたい。小学校の教室にいたときの気分や、友達の家で遊んでたときの気分がふーっとよみがえってくる。
・とても短いのがいい。テンポが良くて構成もいいです。
ただ、音声が不明瞭で声のレベルが低くて、ちょっと聞き取りづらかったです。それで少し損をしてるんじゃないかな、この映画。
イエスを演じてるのがチャド・マレーンってのがいいですね。今国内で仕事してる外国人俳優の中で一番お笑いができる人じゃないかと思います。(彼だとわかるほど寄った映像はまったくないけど)
この作品は自伝的作品らしいので、このあとどういう題材を取り上げるのか気になります。どこかシリアスな宗教的なテーマに行くのか、全然関係ない日常的でユーモラスなほうへ行くのか…なんとなく、後者かな。