カナダ映画となってるけど、舞台はニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジにある手作りギター店。この店に1週間張り付いて、ギター制作者リック・ケリーと事務員の母親、見習いのシンディと、店に来る人たちのなりわいを撮影した、シンプルなつくりのドキュメンタリーです。NHKの「ドキュメント72時間」とかと似た、見る人が店の片隅に置かれた椅子に座ったまま一部始終を眺めているような映画です。
問題意識とか製作者の意図、方向付けとかを極力排しているので、ドキュメンタリーを前のめりで見たい、なんなら自分も社会運動に参加したい、という意識の人には物足りないかもしれません。
頭から音楽がカッコイイ。エレクトリック・ギターの音色そのものの魅力。それはつまり、ギター本体の鳴りによるものなので、ここのギターの原木の特質、ニューヨークが育ててきた建物に潜む音です。ボストンの材木、ニューオーリンズの材木とかを使ってそれぞれの音のギターを作ることもできるんだろうか。
ジム・ジャームッシュとリック・ケリーが「好きな樹木」について語り合うのを見てると、ギター制作者ってまず植物好き、植物と相性のいい人たちなんだなと思う。
音楽っていいな…聴くのもいいけど演奏の楽しみもいい。このあいだヒマにかまけてカラオケアプリで歌いまくったら、あまりに声が出なくて泣きそうになったけど、もしかしたら楽器なら弾けるようになるんじゃないか!?…なんてね。
お客さん(パティ・スミス・バンドの人)がCharみたいだった。Charもここのギター持ってたりしてね…。価格はググった結果1本1500~2000ドルとみられます。
ひとつだけ残念だったのは、試奏してたのはどれもソリッドギターだけで、壁に下がってるアコースティックやセミアコギターがどう鳴るのかがまったく聞けなかったことだな。作り方違うのかな…どんな音がするのかな。。。