映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

佐古忠彦 監督「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー」2490本目

丁寧な映画でした。カメジロー、男だね!カッコいい。

南アフリカにネルソン・マンデラやスティーヴ・ビコあり、沖縄にカメジローあり。アメリカは南アにおける彼らと同じものをカメジローの中に見たから、これほど目を付けたんだ。めちゃくちゃ熱く、正論をとうとうと訴えるから。

去年かなり沖縄と鹿児島の離島に遊びに行って、沖縄の離島と鹿児島の離島にさまざまな違いがあることに気づかされたものでした。目立つところから言うと、沖縄の島にはオリオンビールがある、鹿児島の島には西郷隆盛像がある。鹿児島は戦後早く返還された。今は沖縄の離島のいくつかには、都会から若い人たちがばんばん押しかけてるけど、鹿児島の離島には静かな普通の暮らしを感じさせるところが多い。県境は海の上で目に見えないけど、島のホテルでググって初めて知ったこともたくさんありました。つまり本土の者たちは、沖縄という地域をどのように特異的に扱ってきたかを本当のところちゃんと知らないのかもしれないです。

真面目に調べていくと、辛くなりすぎてネガティブな気持ちが起こってくるけど、ずっと怒りを持ち続けて、こぶしを振り上げて主張を続けるカメジローは、まさにアメリカ人の言うところのヒーローです。敵方のヒーローは多分、誰よりも怖く、その実すごくカッコいい男だったのに違いないのです。

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