映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

マーティン・スコセッシ監督「レイジング・ブル」2503本目

何回も見かかって、なぜかいまだに一度も最後まで見てなかった作品。いや、見たのかな。いろんな場面が記憶にある…弟と寝たな!って妻を殴る場面とか。

乱暴に殴り合う場面や激しい口論って苦手だし、男女が出てきても全然ロマンチックじゃなくて男の側の都合でぜんぶ語られるからかな。白黒の画面はスタイリッシュでクールな感じだけど、私は顔色や洋服や食べ物の色も楽しんで見たいし。

という風で、なかなか画面に集中できなくて…。みんな見てる人気作品なのに、ここまで見られないのってなかなかない。スコセッシxデニーロなのに誰も死なないんだけど、大量殺戮の映画のほうが画面に見入ってしまうのは確かだ。

引退後の、デニーロのお父さんみたいなデニーロのほうが、まだ落ち着いて見られるんだけど、現在の彼のアルターエゴみたいで面白いですね。太って風采が上がらないけど、それなりに今も頑張ってるっていう。こういう、すごい犯罪者や荒くれものをたくさん演じてきた俳優って、毒を全部吐き出してきた分今はすっきりしてキレイな感じがしてしまうのでした。

レイジング・ブル (字幕版)

レイジング・ブル (字幕版)

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