たまらん…この頃のロンドンほど最高に刺激的で美しい場所は、古今東西どこにもないんじゃないだろうか。
ロンドンに仕事で行ったのは1992年だからもうこういうロンドンの香りは何も残ってんかったけど、キンクスのカセットテープをいつも聞きながら、湾岸やキングズ・ロードを散歩しては写真を撮りまくってた。無理してヴィダル・サスーンの本店に行ったら、若いおねえちゃんがガッと足を開いて立って、いきなりハサミでどんどん切っていったのがカッコよくて。。
音楽を聴かなくなってしまったけど、今しょっちゅう見てる映画の中のスターとその頃の自分がつながった。マイケル・ケインが全編を語ってる構成がとてもスマートでスタイリッシュ。「アルフィー」の頃の一番イケてた頃の映像も混じる。マッドネスの「マイケル・ケイン」って曲を聞いて、誰?って昔は思ってたけど、ミュージシャンがリスペクトするイケてる俳優だったんだな、ずっと。
一時期同じ音楽ばかり聴きまくっていると、何十年たっても、聞くたびにそのときの自分の内面がそのまま蘇ってくるみたいだ。音楽でも映画でも同じだと思うけど、感動が大きくて包み込まれたようになって、やたら優しい気持ちになったり。私はこの頃の彼らよりだいぶ若いけど、一緒に若いころを過ごしてきたような気がするな。
しかし。このあとパンクの時代を経て今度はトレインスポッティングのような、汚い(やっぱり好きだけど)時代が来て、その後の今のロンドンに行くと若い人はみんなスポーツウェア着て週末のフットボールの話をしてる(という主観的なイメージ)。あの頃の怪しくて美しいロンドンはどこに行ったのか?私やその頃のロンドンに恋をしてた人たちの心の中、なのかな。。