映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

デヴィッド・ゴードン・グリーン 監督「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」2515本目

ジェイク・ギレンホールが主演だけど、今度は時系列がゆがんだりアルターエゴが出てきたりしないのね。宇宙人も出ないのね。(すごい先入観を持ってる、いい意味で)(どんな意味だ)

普通にいい映画だった。傷ついたことでヒーロー扱いされた気弱な男の、成長の物語。第二次大戦後の日本で軍神と呼ばれた人と、少しかもしれないけど共通点もある。気づいたら両脚がなかったときの驚きは、想像することもできないけど、こういう映画があるおかげで立ち直れる、がんばれる人もいるんだと思う。出演者たちがすごく、普通の人っぽくて、いろいろあるけど前向きに生きているのが救いでした。

なにしろ実話だからなぁ。ボストンマラソンの、このジェフ・ボーマンの写真も、それがフェイクだという噂も見ました。この事件の直後のニューヨークマラソン開催時にニューヨークにいて、またこういうことが起こったらと思ってすごくビクビクしてたのを覚えてます。今は障害のある人を語るとき、どういういきさつでそうなったかを根ほり葉ほり聞くような物見遊山なジャーナリズムが減って、今とこれからのことを語ることが多くなったことに、私としてはほっとしています。