キューブリックの世界とは違うけど、すごく面白かったです。そうかこれがスティーヴン・キングの世界なのか。(「スタンド・バイ・ミー」や「グリーンマイル」を思い出しつつ)
「ROOM237」も見たし紹介文や解説、感想などを読んで、予習はばっちり。
ダニー坊やは、「シャイニング」では美少年というだけではなく、どこか楽天的な透明感があってそれが”輝き”なんだと思えたけど、今回のダニーは長じて無精ひげのジャンキーになってる。ただ、ユアン・マグレガーが演じる役はいつもそうなんだけど、生命力が強い。(cf「トレインスポッティング」)少しやさぐれてるんだけど、図太く生き残るキャラ。だから映画が怖くなかった。そして今度の映画は人間の真髄のところに響こうとする作品だった。キューブリックとは違う、知能指数にかかわらない超現実的な人間観、死生観。
キューブリックがいつも意識していたのは知恵とか進化の不思議、みたいなものだと思うんだけど、キングは、善悪や生死は表裏一体だけど、光が勝つ、勝たなきゃならない、という世界観を示そうとする。
で、この作品のストーリーと結末だけど(そうかローズは「シャイニング」見てないからオーバールック・ホテルのからくりを知らないのね)と思いながら見てる自分が可笑しかったです。
それにしてもアブラちゃん強い。強すぎる。この映画で一番怖いのは彼女でしたね。大きくなったらどんな大人になるんだろう。
(ところで、本物の「シャイニング」のダニー坊や出てましたね。すごいいい人そうなおじさんになって、野球の試合を見に来てた)