ミュージシャンのドキュメンタリーもけっこうKINENOTEに登録されてるのに、これだけは見つからなかったので、ここでだけ感想を書きます。
デヴィッド・ボウイの相棒だったミック・ロンソンのドキュメンタリーがすごく良くて(彼が初期のボウイのきらびやかな音楽をこれほどリードしてたとは!)、彼らが二人でプロデュースしたルー・リードの「トランスフォーマー(クラシックな名盤!)」を改めてもっと知りたいと思って借りました。このドキュメンタリーも素晴らしかった。
「ワイルド・サイドを歩け」のウッドベース+エレクトリック・ベースの重なりをベーシスト自身が語ったり、デヴィッドのコーラスのファルセットの素晴らしさを聞きなおしてみたり。鳥肌立ちますね。ルー・リードってセンスのかたまりで(ニューヨークのミュージシャンってそういう人多いけど、トム・ヴァ―ラインとかパティ・スミスとか)、今までのどんな音楽にも似ていない、いままで刺激されたことのない心のどこかにピシッと届く。このアルバムは、ルーがヴェルヴェットをやめて一人で活動を再開したときの作品なので、録音に携わったのはスタジオ・ミュージシャンたち。さすがのプロというか、このドキュメンタリーが作られたときにも当時の音を再現してキレッキレの演奏を聞かせてくれます。
大学生くらいのときかな。パンクからパブロック、そのあたりからこういうアートを思わせる音楽を仲間たちと聞くようになって、柔らかい神経に直接ピキピキ感じながらうっとりと世界に浸ってた。
私はその時間を持て余してなかっただろうか?そんな恍惚の時間なんてもう体験できないのに、ちゃんと味わい尽くしてただろうか。
ルー・リード、デヴィッド・ボウイ、ミック・ロンソン、みな故人だしもうその時間に戻ることはないと思うと、あまりに素晴らしくて、なんとも切ない気持ちになるのでした。